- 更新日: 2025年03月27日
- 公開日: 2025年03月27日
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機密文書を廃棄する際の選択肢の一つとなるのが「溶解処理」です。文字通り書類を溶解して処理するため、文書を完全に抹消することができます。文書の処理方法には他にも「シュレッダー処理」や「破砕処理」などの種類がありますが、溶解処理を選ぶことでどのようなメリットを得られるのでしょうか。この記事では、溶解処理の基礎知識や他の処理方法との比較、主なメリット、依頼前に把握しておきたい注意点などを解説します。
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溶解処理とは
溶解処理は、水などの液体に物を溶かして処分する方法のことです。液体に紙を投入して攪拌し、紙繊維をほぐして溶かします。依頼する業者によっては、バインダーやファイルに入れていた書類もそのまま処理可能です。書類を確実に抹消できるため、重要度の高い機密文書の処理にも向いています。
溶解処理を利用したい場合、専門の業者へ申し込みをした後に書類を引き渡します。処分したいものを箱に詰めて渡すだけなので、それほど手間もかかりません。処理された紙はリサイクルされ、別の紙製品などに生まれ変わります。環境に配慮された方法であるのも魅力の一つです。
シュレッダー処理との違い
書類を廃棄したい場合、オフィス内にシュレッダーを設置して細かく裁断する方法もあります。自社の従業員のみで作業できるため、コストをかけず手軽に処分できるのがメリットといえます。
しかし、用紙をバインダーやステープラー、クリップなどでまとめている場合は、すべて取り外す必要があります。ステープラーの針であれば一緒に裁断可能な商品もありますが、シュレッダー機器は基本的に紙以外を処理できません。クリップなどを誤ってシュレッダーにかけてしまうと故障の原因になることがあります。
また、処分したい書類が大量にある場合は時間がかかってしまうのがデメリットです。従業員の作業負担が増え、コア業務にも支障が出るかもしれません。加えて、裁断した紙をつなぎ合わせて文書を復元することも可能なため、その他の方法と比較すると情報流出のリスクが大きくなるといえます。
破砕処理との違い
破砕処理は、工場に運んだ書類を機械で砕いて処理する方法です。溶解処理と同様、ダンボール箱に詰めた書類を業者へ引き渡すだけで完了します。手間がかからない点は溶解処理と変わりません。
ただし、業者が使用している機械の種類によっては、金属やプラスチックなどを事前に取り除く必要があります。書類の引き渡し後、業者によって分別が行われるため、情報漏えいのリスクが発生する点に留意しましょう。
溶解処理のメリット
機密文書を安全かつ手間なく廃棄したい場合、溶解処理を選ぶのが推奨されます。ここでは、溶解処理の具体的なメリットを解説します。
手間がかからない
溶解処理の場合、依頼する業者によってはバインダーやファイルなどの分別が不要です。廃棄したい書類をそのまま箱に詰めて回収依頼を行えば完了します。書類が大量にある場合でも手間がかかりにくいのは魅力です。
リサイクルできる
溶解処理された紙は、再生可能な資源としてリサイクルされます。再生紙としてティッシュや雑誌などに有効利用されるのもメリットの一つです。また、焼却処理のように二酸化炭素が排出されることもなく、環境に配慮しながら書類を廃棄できる点もポイントです。
情報漏えいリスクの減少
書類の入った箱を未開封のままで処理する業者を選べば、情報漏えいリスクも減らせます。シュレッダーや破砕処理などと比較すると、安全性の高さが魅力となります。会社にとって重要な機密の記載された文書も、安心して廃棄できるでしょう。
溶解処理の注意点
溶解処理は慎重に管理したい機密文書の廃棄に適していますが、いくつか気をつけておきたいポイントがあります。以下では、溶解処理を依頼する前に確認したい注意点について解説します。
安全性が高い業者を選ぶ
機密文書や個人情報などが流出すると、企業の信頼を損ねるおそれがあります。こういった書類を廃棄する場合は、特に信頼のおける業者を選ぶことが重要です。搬送時から廃棄処理されるまでのセキュリティや、処理を行う際の書類の取り扱い方法などを明示している業者を探してみましょう。
*溶解処理の業者選びのポイント
①書類が入った荷物の追跡サービスがあるか 荷物を預けた後は、完全に業者の手に書類をゆだねることになります。荷物の追跡サービスがあると、書類の現在地を把握できるため安心です。 ②溶解証明書を発行しているか 業者のなかには、溶解処理完了後の証明書発行に対応しているところがあります。確実に処理できたことを確認できるため、証明書を出してもらえる業者を選んだほうが良いでしょう。 ③Pマークなどの認証があるか すべての処理業者が高いセキュリティ意識を持っているとは限りません。情報の適切な取り扱いが可能かどうかを見分ける基準の一つとなるのが、Pマーク(プライバシーマーク)やISO27001などの認証の有無です。セキュリティ関連の認証を取得している業者なら信頼性が高いといえます。 ④未開封のまま処理するか 依頼した業者によっては、異物混入を防ぐために箱を開封してチェックするケースがあります。一度も箱を開けずに処理するところなら、機密情報漏えいのリスクを軽減できます。 |
処理する書類が少ない場合は不向き
溶解処理を依頼した際は、指定のダンボール箱などに書類を詰めて受け渡すことになります。箱単位での料金となるため、処理したい書類が少量の場合はコストパフォーマンスが悪くなる可能性があります。溶解処理を検討するのであれば、廃棄したい書類が毎月どの程度あるかを把握しておきましょう。
溶解処理のメリット・デメリットを把握した上で適切な業者を依頼しましょう
溶解処理の基礎知識やメリット、注意点などをお伝えしました。溶解処理は書類を溶かし、完全に抹消できる廃棄方法です。流出させてはならない機密情報が記載されている書類は、溶解処理で破棄すると良いでしょう。ただし、機密書類を預ける場合は信頼のおける業者を選ぶことが重要です。
また、溶解処理は大量の書類を処分したい場合に向いている方法です。紙の書類を扱うことが多い企業に適しているでしょう。ただ、いくら処理しても膨大な書類が蓄積されていき、管理に困るというケースは珍しくありません。法律で保存期間が定められており、長期保存せざるを得ない書類も存在します。
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CLOUD CABINET編集部
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