ペーパーレス化のメリットは?導入を目指す際のポイント

  • 更新日: 2025年03月27日
  • 公開日: 2025年03月27日

ビジネスシーンにおいては、多くの場面で紙の書類が用いられます。ただし、紙ならではの不便な部分も多いため、ペーパーレス化を検討する企業も少なくありません。紙の使用量を大幅に減らすことができれば、業務効率向上にもつながることが期待できます。ほかにも多くのメリットがあるため、具体的な効果を確かめた上で実践しましょう。この記事では、ペーパーレス化の基礎知識やメリット・デメリット、ポイントや注意点などをご紹介します。 

ペーパーレス化の概要

ここでは、ペーパーレス化の概要を解説します。導入を妨げる主な要因についても理解した上で、効率的にペーパーレス化を進めましょう。 

ペーパーレス化とは 

ペーパーレス化とは、紙の文書を電子データに置き換えることです。会議資料や稟議書、経費精算書類、請求書、注文書、契約書など、さまざまな書類を電子データに切り替えることが可能です。デジタル化を推進することで、コスト削減や業務効率向上、柔軟な働き方への対応などを実現できるでしょう。 

ただし、ペーパーレス化を行うためには、既存の書類をスキャンしてPDF化する、文書を表計算ソフトで作成するといった作業が必要です。電子データへの移行には、それなりの期間を要する点に留意しておきましょう。 

ペーパーレス化が進まない場合の主な理由 

ペーパーレス化がスムーズに進まない場合、以下のような要因があるケースも多く見られます。一つが、コスト負担が懸念されることです。例えば、契約書を電子契約に切り替えるためのシステム導入費用や、紙の書類を電子化するスキャナーの購入費用などが必要になることがあります。電子文書を閲覧するためのタブレット端末支給や、ネットワークのセキュリティ強化などにもコストが生じる可能性があるでしょう。 

もう一つが、従業員ごとのITリテラシーに違いがある点です。電子データの扱いに不慣れな人がいると、対応に時間がかかります。ペーパーレス化が定着するまでの教育が必要で、人的コストも発生します。 ただし、方法次第ではコスト負担や社内人材への負荷を軽減しながらペーパーレス化を促進することも可能です。自社にとって適切なシステムやツールを選ぶことで、上記の課題を解決できるでしょう。 

ペーパーレス化のメリット

ペーパーレス化を進めることで、以下のような効果を得られると考えられます。具体的なメリットを確かめておきましょう。 

業務の効率化 

書類をデジタルデータとして管理できるようになれば、文書検索を速やかに行えるようになります。キャビネットやファイルボックスから目当ての書類を手作業で探すより、時間短縮できるでしょう。書類管理においても、印刷や仕分け、ファイリングなどの作業が不要になります。 
クラウド上に書類データを保管すれば、情報共有もスムーズです。業務効率が上がり、結果として生産性向上にもつなげられるでしょう。 

コストの削減 

ペーパーレス化を推進すれば、用紙代・印刷代・郵送費・切手代・印紙代など、さまざまな費用を削減できます。業務効率化が実現すれば人件費削減にもつながるでしょう。 
また、紙の書類が減ると、キャビネットや倉庫などの保管スペースを削減できます。社内のスペースに余裕ができるのもメリットの一つです。 

セキュリティの向上 

電子データはアクセス権限の設定や暗号化などにより、セキュリティ対策を講じやすい特徴もあります。重要な文書を扱う際の情報漏洩リスクを軽減できるでしょう。また、物理的な書類がないため、紛失や破損、劣化などを避けやすい点もメリットです。万が一の場合に備え、バックアップを取っておくこともできます。 

働き方の多様化への対応 

書類をデータ化することにより、インターネットを通じて編集や閲覧を行えるようになります。オフィスに出社せずとも書類の処理が可能なため、テレワークや出張などの際も業務を進めやすくなります。時間や場所を問わない働き方に対応できるのもペーパーレス化の魅力です。 

企業のイメージ向上 

近年、企業はCSR(企業の社会的責任)やSDGsへの取り組みが求められる傾向にあります。ペーパーレス化によって紙の使用量を減らすことで脱炭素社会の実現に協力でき、企業イメージの向上につなげられるでしょう。 
また、紙の使用量削減は環境保全の観点からも大きな意味を持ちます。SDGsへの積極的な取り組みを行っている企業としても認識されるでしょう。 

ペーパーレス化のデメリット

上記の通りペーパーレス化には豊富なメリットがあります。一方、デメリットについても把握しておくことがポイントです。 

紙媒体より見づらい 

パソコンやタブレット、スマートフォンなどで閲覧する電子データの資料は、紙と比較すると視認性が悪く感じられることがあります。特に、サイズの大きな資料や複数の資料を参照したいときなどは、紙のほうが便利でしょう。ただし、大きめのディスプレイを用意すれば解決できる場合があります。 

導入に時間がかかる 

ペーパーレス化に至るまでにはそれなりの時間がかかります。例えば既存の紙の書類が多い場合はPDF化の手間も大きくなり、完了までの期間を要します。
また、紙を削減することで、必然的にパソコンなどの電子機器の操作が増えます。操作に慣れない社員は、使いこなせるようになるまでの労力も必要です。 

ペーパーレス化のポイント

ペーパーレス化を行う際は、適切な事前準備を行い、計画的に施策を進める必要があります。ここでは、ペーパーレス化のコツや注意点を解説します。 

ペーパーレス化を行う目的の明確化 

ペーパーレス化を成功させるためには目的を設定することが重要です。「リモートワークの導入」「無駄な業務の削減」といった具体的な目標があると、実現のために必要な取り組みが明確に定まります。削減目標や導入スケジュールなどを策定しましょう。具体的な計画が決まったら周知し、全社的に取り組んでいきます。 

現状の把握と対象の設定 

効率的にペーパーレス化を進めるためには、現状の問題を可視化することも大切です。社内の複合機やFAXなどの使用状況をチェックし、現在の紙の使用量や関連コストを把握しましょう。その上で、削減したい紙媒体を選定します。すべての書類を一気に電子化するのは避けたほうが良いでしょう。膨大な書類を電子化するのは工数やコストがかかります。 
また、取引先の関わる契約書や見積書、領収書などの書類は、相手方への確認も必須であり、移行のハードルが高いといえます。社内文書のようにペーパーレス化の影響が少ないものから優先順位をつけて、段階的に進めましょう。 

法規制の確認 

ペーパーレス化に際して、電子帳簿保存法やe-文書法などの法制度の確認が必要です。法の定める要件に従って電子化を進めましょう。法改正によって内容が変わるケースもあるため、ペーパーレスに切り替えた後も定期的な確認・対応が欠かせません。 

ツールの選定・活用 

ペーパーレス化のためには、ITツールやシステムなどの導入が必須といえます。電子文書の管理に適した文書管理システムやクラウドストレージなど、自社の目的に合うサービスを選定しましょう。導入コストやランニングコストなどはもちろん、搭載されている機能や使い勝手の良さ、連携可能なシステムなどを加味した上で選ぶことがポイントです。 
また、ツールの導入前に運用体制を整備し、明確なルールを定めておくことが求められます。導入後は従業員への教育を実施し、スムーズな浸透を目指しましょう。

ペーパーレス化のメリットを得るために適したサービスを導入しましょう

ペーパーレス化で紙文書を減らして電子文書を活用するのは、企業にとってさまざまなメリットがあります。業務効率を改善したい、無駄な費用を削減したいといった悩みを改善に導くことが期待できます。 
ただ、紙を完全になくすのは難しい企業も珍しくありません。例えば、電子契約を導入しようと考えても、契約書の種類によっては紙での作成が義務とされているケースもあります。その他、取引先の要望で紙の契約書を継続して使いたいというケースも多いでしょう。こういった場合は、紙の書類と文書データを一括管理できるサービスを選ぶのが効果的です。 

寺田倉庫のハイブリッド文書倉庫「CLOUD CABINET」は、スキャンした文書のほか、電子契約や紙の契約書を一つのシステム上で一元管理できる文書管理サービスです。紙の原本は倉庫へ保管し、必要な分だけスキャンすることも可能なため、コストを抑えながら電子化することができます。検索機能やAPI機能なども充実しています。詳細についてはお気軽にお問い合わせください。 

この記事を書いた人

CLOUD CABINET編集部

CLOUD CABINET編集部

文書管理に役立つ情報を発信していきます。 当編集部は、文書情報管理士・文書情報マネージャーなどの有資格者で構成されています!