- 更新日: 2025年01月06日
- 公開日: 2024年12月16日
目次
現代のビジネスでは、紙媒体の電子化がますます重要になっています。紙の書類の電子化は業務のペーパーレス化や生産性向上だけでなく、環境保護の観点からも重要です。
しかし、その一方で電子化にはデメリットも存在します。本記事では、紙媒体の電子化について、そのメリット・デメリット、具体的な手順、注意点を詳しく解説します。
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紙媒体の電子化とは
紙媒体の電子化とは、物理的な紙の文書をスキャンし、電子データとして保存することを指します。デジタル化との違いを併せて解説します。
紙媒体の電子化の概要
電子化した書類や資料は、パソコンなどの電子端末で閲覧できます。一般的には数枚の資料を電子化するのではなく、大量の契約書や報告書を一気に電子化して整理するケースが多いです。また、電子化は文書管理システムとの相性が良いです。文書管理システムと連携することで、情報共有がスムーズになり、業務プロセスの効率化が可能になります。
電子化とデジタル化
電子化とデジタル化は似ているようで、実は異なる概念です。電子化は、紙媒体をスキャンして電子端末で閲覧できるデータに変換することを指します。一方、デジタル化は、アナログ情報をデジタル形式に変換することを指します。
電子化:紙媒体(契約書・請求書など)をスキャンしてデジタルファイルに変換する
デジタル化:アナログ情報をデジタル形式に変換することを指す
電子化はデジタル化の一部と言えますが、デジタル化はより広範な概念であり、DX(デジタルトランスフォーメーション)の一環として扱われることが多いです。
紙媒体を電子化するメリット・デメリット
紙媒体を電子化することには、多くのメリットがありますが、同時にデメリットも存在します。ここからは、紙媒体を電子化するメリットとデメリットについて詳しく見ていきましょう。
紙媒体を電子化するメリット
コスト削減できる
紙媒体を電子化することで管理にかかるコスト削減ができます。大企業では年間に数百万枚の紙を使用することも珍しくないため、紙の契約書などを管理する場所や備品(キャビネット)などにかかるコストも莫大になるでしょう。紙媒体を電子化しておくことで、法的な保存期間が過ぎた書類の原本をデータとして管理することが可能になり、紙の契約書などは定期的に処分することができるため、場所や備品にかかるコスト削減につながります。
業務を効率化できる
紙媒体をデータで管理することで、パソコンや文書管理システム、クラウドサービスに搭載されている検索機能が使えるようになります。資料を探す手間や時間が省けるため、業務の効率化が可能です。特に大量の書類を扱う現場では、大きな効果を発揮することでしょう。
紛失リスクを減らせる
電子化によって書類紛失や盗難のリスクを減らすことができます。データの管理に文書管理システムを活用して保管することで、厳重なセキュリティ機能を使用できるからです。システムによってはデータの閲覧やダウンロードの履歴が記録される機能も備わっているので、情報漏えい防止に役立ちます。
紙媒体を電子化するデメリット
電子化するのに時間がかかる
資料が多いほど、電子化するのに時間がかかります。方法次第ではありますが、紙媒体を1枚ずつスキャナなどで読み取る必要があるからです。具体的には、ファイルから紙を取り出し、ホッチキスや付箋を外してスキャナにセットし、スキャニングする作業が必要です。電子化にかかる作業の削減策として、電子化の作業をアウトソーシングすることもできます。
電子化したデータを整理する必要がある
電子化したデータが整理されていないと、かえって業務に支障をきたし、効率的に使用し辛い状態になる場合があります。具体的には1つのフォルダに違うプロジェクトの資料も混在している、ファイル名の付け方がバラバラになっているといったケースが起こり得ます。こうした状況では必要なデータを見つけ出すのに時間がかかり、業務効率が低下します。データの整理は利用者や管理者が守るルールを決めることが重要です。保存場所をあらかじめ指定したり、ファイル名のルールを決めたりしてデータの整理を徹底しましょう。
紙媒体を電子化する手順
紙媒体を電子化するためには、いくつかのステップを踏む必要があります。ここでは、具体的な手順について詳しく解説します。
Step1.電子化する紙媒体を整理する
まず、電子化したい紙媒体を集めて整理します。書類を精査し、不要な文書や資料はこの段階で処分しましょう。電子化する書類の基準を設けると整理がしやすくなります。例えば、閲覧頻度が高いものや、リモートワークでも閲覧する可能性が高いものを優先して電子化するようにしましょう。
Step2.電子化したい紙媒体とスキャナやOCRソフトを用意する
次に、電子化する紙媒体とスキャナ、OCR(光学文字認識)ソフトを用意します。OCRソフトを使用すると、スキャンしたデータの文字をテキストデータとして認識してくれるので、データの文字検索が可能になります。
Step3.保存場所を決める
電子化したデータの保存場所を決めます。クラウドストレージや社内サーバーなど、アクセスしやすくセキュリティが確保された場所を選ぶようにしましょう。保存場所を明確にしておくことで、保存場所がバラバラになる事態を防げます。
Step4.紙媒体をスキャンする
電子化の資料の準備が整ったら、紙媒体をスキャナでスキャンします。スキャンしたデータは後から閲覧しやすいように丁寧にスキャンするようにしましょう。スキャンの解像度は高ければ高いほどきれいに仕上がりますが、データの容量は大きくなります。またスキャンしたデータに黒い影が映り込んでしまうときは、スキャナや複合機のフタが浮いている可能性が高いです。フタを上から押し付けて、なるべく隙間ができないようにスキャンしましょう。
Step5.電子データを保存する
最後に、スキャンした電子データを保存します。保存する際はファイル名のルールを事前に決めておきましょう。あとで検索できるように、日付や書類の種類がわかるファイル名を付けることが多いです。
紙媒体を電子化する際の注意点
紙媒体を電子化する際には、いくつかの重要な注意点があります。ここでは、セキュリティ対策やデータの整理方法などについて詳しく解説します。
セキュリティ対策を行う
電子化されたデータは、情報漏洩に備えるためアクセス制御などのセキュリティ対策が必要です。また、メールの誤送などによるデータ流出のリスクもあるため、データの扱いに関するルールを策定し、全社員に周知することが求められます。
データ消失時に備えておく
電子化されたデータは、ハードウェアの故障やウイルス感染などが原因で突然消失してしまう可能性があります。定期的にバックアップを取るなどして、リスクヘッジをしておくことが望ましいです。万が一の事態が起きてデータが消失するリスクを低減できます。 データ消失のリスクに備えるためには、文書管理システムの導入を検討することをおすすめします。
電子化した書類の画面上での見え方を確認する
電子書類の場合、ディスプレイの解像度や使用するアプリケーションによって見え方が変わる可能性があります。スキャンの方法によっては図や表が鮮明に表示されない、テキストが読みにくいといった問題が生じることがあります。電子化する際は解像度やスキャンの設定に注意しましょう。特に重要な書類や図表が含まれる場合は、データ化したファイルを見て、必要に応じて再スキャンを行うことが推奨されます。
紙媒体を電子化して効率的な管理を
今回は紙媒体の電子化について解説をしました。
書類の電子化は業務効率の向上やコスト削減が実現できるほか、クラウド上で管理することで紛失リスクの低減や情報共有の円滑化が期待できます。
一方で、電子化するために時間や労力がかかる上、紙の書類とは異なるセキュリティ対策が求められるというデメリット・注意点も存在します。こうした課題を解決するために、適切なツールの導入を検討してみてください。
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