- 更新日: 2025年01月06日
- 公開日: 2024年12月27日
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契約書管理とは、社内の契約書を整理して適切に保管し、管理する業務のことです。企業では日々契約業務が発生し、社内で多くの契約情報を取り扱っています。契約締結後、これらの情報を適切に管理することで、業務効率化が期待でき、かつ情報漏えいなどのトラブル防止につながります。正しい契約管理でリスクを低減し、自社の権利を守ることが大切です。
そこで本記事では、一般的に契約管理を行う部署や、契約書の管理方法について解説します。自社の環境を見直して管理体制を整備するために、ぜひ参考にしてみてください。
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契約書管理が重要な理由
初めに、契約書管理の重要性を改めて解説します。自社の契約業務の課題を踏まえて、改めて契約書管理が重要な理由を把握しておきましょう。
業務効率化につながるため
日頃から契約書を適切に管理していると、取引先との契約内容の確認がスムーズになります。該当する契約書を探す時間が短縮され、効率的に管理業務や問い合わせ対応を行えます。紙の文書管理ではファイリングや廃棄などの手間がかかるため、必要に応じて現状の管理方法の見直しを検討すると良いでしょう。
リスクマネジメントを推進するため
契約書の管理を怠ると、万が一取引先とトラブルが発生した場合、対応で後れを取るおそれがあります。契約書には契約条件などの重要な項目が記載されているので、契約交渉や損害賠償などの措置を取る際に備えて、常にスムーズに書面を確認できる状態にしておくのが望ましいでしょう。
契約書管理を行う部署はどこ?
社内で契約書管理を行う部署は、企業によって異なります。特定の担当部署が契約書を一元管理するケースもあれば、部署単位で契約書を管理するケースもあるでしょう。ここではそれぞれの方法のメリット・デメリットをご紹介します。
契約書管理を行う部署
多くの企業では、「総務部門」「法務部門」「文書管理部門」などの部門が契約書管理を担っています。その一方で、管理部門が契約管理を一元化するのではなく、部署や事業部門ごとに契約書を管理するケースも少なくありません。どちらの管理方法を採用すべきか、体制別のメリット・デメリットを踏まえて検討すると良いでしょう。
契約書管理の体制別のメリット・デメリット
特定の部署で集中管理する場合
契約書を特定の部署で集中管理する場合は、社内の管理方法を統一し、一元管理によって効率化できるのがメリットです。また、内部監査がしやすく、不正などのリスク低減につながるというメリットもあります。一方で、管理方法を統一すると、各部署の事情に沿って柔軟に管理しにくいのが注意点です。分散管理と比べて、事業部の現場に負担が生じる可能性があります。
部署ごとに個別で管理する場合
契約書を部署ごとに個別で管理する場合は、文書管理のために新たな管理部署を設置する必要がありません。そのため、小規模な企業でも管理体制を構築しやすく、柔軟な対応を実現できます。ただし、管理機能が分散し、部署ごとに管理方法・保管方法が異なるので、契約書の所在がわかりづらくなるおそれがあります。一元管理と比較して、書類の紛失リスクが高まりやすいといえるでしょう。
契約書管理の方法
ここまで社内の部署で契約書を管理する方法をご紹介しました。近年は書類の電子化や業務効率化の観点から、専用システム上または業者へ委託して契約書を管理する方法が注目されています。「契約管理システムを利用する方法」「専門業者に委託する方法」「BpaaSサービスを活用する方法」の特徴をご紹介します。
契約管理システムを利用する
紙媒体の契約書を電子データ化して、専用の文書管理システムで管理する方法です。システムを活用すると検索性が高まるので、契約内容を容易に閲覧でき、かつ更新期限の管理も通知機能によって簡単に実現できます。また、電子契約書へ移行すると、デジタル化により物理的な保管場所が不要となり、業務効率化やコスト削減の効果が期待できるでしょう。一方、システム導入にともない初期費用や月額費用などの利用料金がかかります。また、導入時に従業員への講習を実施する必要性があり、既存の業務フローの見直しが必要になるケースも少なくありません。
専門業者に委託する
外部の管理サービスに契約書を集約して管理を委託する方法です。全ての契約書をペーパーレス化するのではなく、電子契約書と紙の契約書を併用しながら、管理・保存を専門業者に任せられます。契約書の原本を専門業者が保管するので、社内の保管スペースが不要になり、コスト削減やオフィス空間の有効活用につながります。また、契約書管理にかかる時間と手間がなくなり、担当者がコア業務に集中しやすくなるのもポイントです。ただし、契約書管理を外部委託するには一定の費用が発生するほか、原本を閲覧する際に委託先から取り寄せる時間がかかる点に留意しておきましょう。
BPaaSサービスを活用する
BPaaS(Business Process as a Service)とは、専門業者への委託(BPO)とSaaSをはじめとしたITサービスを組み合わせたソリューションの形態です。ITツールを導入しただけでは、問題解決に繋がりません。ツールを適切に運用していく必要がありますが、人手やノウハウなど様々なリソースが足りず、思うような成果を出せないケースがあります。BPaaSはそうした問題を解消してくれます。契約書管理においては、クラウド型の管理システムに加えて、書類の保管や電子化、台帳作成のアウトソーシングを組み合わせたBPaaSサービスなどが存在します。
契約書管理が適切でない場合のリスク
社内で契約書が適切に管理されていない場合は、具体的に以下のリスクが懸念されます。契約書管理の安全性を確保するために、担当者の方は想定されるリスクについてチェックしておきましょう。
契約内容の改ざんのリスク
契約書はセキュリティに配慮して保管する必要があります。万が一、セキュリティ対策が不十分で書類が改ざんされたり流出したりすると、契約の信頼性が損なわれるだけでなく、法的リスクが高まってしまうのが注意点です。契約違反となり、相手方との大きなトラブルに発展する可能性も考えられます。適切な権限設定でアクセス権の管理を徹底し、自社の機密情報を守りましょう。
法令違反のリスク
契約書を紛失した場合は、法令違反と見なされます。その理由は、契約書の保管は会社法や法人税法などの法律で義務づけられているためです。法人の場合は最長で10年間にわたり契約書を保管する必要があります。税務調査の際に取引内容を証明できない場合、追徴課税が発生するケースもあるためご注意ください。
<参考>会社法(平成十七年法律第八十六号)(e-Gov法令検索)
訴訟時のリスク
取引先と業務上のトラブルが発生し訴訟に発展した場合は、契約書に記載された内容が証拠として用いられます。社内で契約書が適切に管理できていないと、訴訟時に必要な書類を証拠として迅速に提出できない状況になりかねません。自社の主張の事実確認がしにくいと、不利な立場になりやすい点に注意が必要です。
情報漏えいのリスク
契約書の記載内容は、企業秘密に該当します。個人情報や取引金額などの重要なデータが記載されているので、外部へ漏れないよう厳重に管理しなければなりません。情報漏えいによる損害賠償の発生や企業のイメージ低下を防ぐためにも、適切な権限管理や運用ルールの徹底など、全社的なセキュリティ体制の強化に取り組みましょう。
部署での契約書管理を見直し、効率化やリスク低減を目指しましょう!
多くの企業では、特定の部署が契約書管理を担うか、あるいは部署単位で契約書を管理しています。契約書管理を効率化するなら、管理に特化したサービスに外部委託するのも一つの手です。適切な契約書管理によって業務を大幅に効率化し、リスク低減が期待できます。専門業者に委託するなら、寺田倉庫のハイブリッド文書倉庫「CLOUD CABINET」がおすすめです。
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この記事を書いた人
CLOUD CABINET編集部
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