- 更新日: 2025年01月08日
- 公開日: 2024年12月17日
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ビジネスシーンの契約書管理では、一般的には「契約書管理台帳」を使った管理方法が採用されています。台帳には、契約に関する情報を迅速に検索可能な体制を整え、契約期間を適切に守る重要な役割があります。Excel(エクセル)や文書管理システムを活用した管理方法で、契約業務の効率化を目指しましょう。
本記事では、エクセルの台帳で契約管理をするメリット・デメリット、導入の流れ、注意点などを解説します。契約書管理の課題でお悩みのご担当者様は、ぜひ参考にお読みください。
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エクセルで契約書管理をするメリットやデメリット
初めに、エクセルで契約書管理をするメリット・デメリットをそれぞれご紹介します。契約業務の効率化へ向けて、まずはエクセル管理の特徴をご確認ください。
エクセルで契約書管理するメリット
コストを抑えられる
既にエクセルを導入している場合、新たに契約書管理システムなどを導入する必要がなく、導入コストが発生しません。また、社員がエクセルの操作に慣れている場合は、教育コストがかからない点もメリットです。
カスタマイズがしやすい
エクセルで台帳を作成する際、自社の管理業務に合わせて項目や関数を設定して、自由にカスタマイズすることが可能です。自社独自の契約書管理台帳のフォーマットを作成できます。
共有しやすい
契約書管理システムはアクセス権限の設定など共有に手間がかかってしまうことがありますが、エクセルファイルの台帳は、メール添付やダウンロードなどの方法で簡単に情報共有が可能です。また、エクセルは容易にソフトを操作可能なため、社内で扱える人が多い傾向にあります。
エクセルで契約書管理をするデメリット
使いやすい台帳を作成するのが難しい
エクセルは個人で自由にカスタマイズができるため、作成者の使いやすさが重視される傾向があります。そのため、作成者以外の第三者から見ると使いにくい台帳が作成されてしまうケースがあります。契約書管理が特定の社員に依存して業務の属人化を避けるためには、標準化された台帳を作成し、複数の担当者にとって使いやすい台帳を作成することが重要です。
契約の更新や期限の管理が難しい
エクセルは契約者管理に特化したシステムではないため、リマインダーの機能がありません。したがって、各契約の契約更新や契約期限が切れるタイミングを手動で管理する必要があり、ヒューマンエラーの可能性が高くなります。
データ量に応じて効率が低下する
エクセルで作成した契約書管理台帳は、データ量が増えるほど処理速度が低下する可能性があります。契約の件数が多いと作業時間が増えて業務効率が下がってしまうのがデメリットです。
情物一致が難しい
情物一致とは、「情報」と「実際の物の数や状態」が一致する状態を指します。エクセルの契約書管理台帳はキャビネットと連動しないため情物一致が難しいといえます。
例えば、社員がキャビネットから書類を持ち出しても、エクセルの台帳の情報は更新されません。そのため、資料の紛失などのトラブルが発生し、台帳に情報があるのに原本が見つからない状態になるリスクが存在します。
契約書管理で情物一致を実現するなら、電子データと紙原本をまとめて管理する文書管理システム「CLOUD CABINET(クラウドキャビネット)」がおすすめです。クラウド上で電子データと紙原本を一元管理して、効率的かつ正確な契約書管理を実現します。
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エクセルによる契約書管理を導入する流れとポイント
ここでは、エクセルによる契約書管理を導入する流れとポイントを解説します。エクセル管理に移行する場合、具体的に社内でどのような手順で対応が必要なのか、一連の過程をご確認ください。
エクセルを用いた契約書管理の導入の流れ
Step1.導入の担当者を決める
契約書を管理する部門から担当者を選出します。また、担当者の役割や責任を明確に周知しましょう。
Step2.管理対象の書類や項目を決める
エクセル管理の対象とする書類、管理項目などを定めます。なお、具体的な管理項目の例は以降の見出しで解説します。
Step3.契約書管理ルールを設定する
契約書管理台帳の運用ルールを策定します。例えば、閲覧制限・アクセス権限・ログ管理などに関するルールを定めます。
Step4.管理台帳を作成する
エクセルで契約書管理台帳を作成します。必要なデータへ速やかにアクセスできるよう、検索性を高めることが重要です。
Step5.契約書類を保管する
電子契約書は整理してフォルダに保存しましょう。紙の契約書はファイリングしてキャビネットに保存します。いずれも管理番号・契約月・取引先などの条件で分類して、適切に保管してください。
エクセルを用いた契約書管理を成功させるポイント
管理項目を必要最小限に制限する
契約書管理台帳の項目は、必要最小限に留めることが重要です。管理が煩雑になるのを避け、ヒューマンエラーを防止します。基本的に管理すべき項目の例として、以下が挙げられます。
【管理項目の例】
・契約書名称 ・契約の相手 ・契約締結日 ・契約開始日 ・契約終了日 ・契約の自動更新の有無 |
電子契約と書面契約を区別する
電子契約書と紙の契約書が混在している場合は、契約書管理台帳に契約書の種類を明記する必要があります。原本の確認が必要なタイミングで混乱が生じないよう、電子契約と書面契約を区別して管理しましょう。
情報を集約する
契約書管理台帳は部署ごとに作成すると管理が煩雑になりやすいため、社内に1つ作成して情報を集約するのが望ましいといえます。管理する契約書の枚数が多く、エクセル管理では対応が難しい場合は、文書管理システムを導入すると効果的です。
新規の契約書を対象にする
台帳管理をしていない企業が新たにエクセルでの台帳管理に取り組む(移行する)際、想定以上の工数がかかってしまうケースが多く見られます。そのため、まずは台帳作成後に新規で発行した契約書のみを管理の対象にするとよいでしょう。過去の契約書まで遡って台帳に記載するのは、エクセル管理に慣れてからで構いません。
エクセルで契約書管理をする際のポイント
エクセルによる契約書管理には、ヒューマンエラーやセキュリティ面の課題も存在します。トラブルを防ぎ、スムーズに運用するためにも、以下のポイントで対策を講じましょう。
管理体制を構築する
契約管理では適切な管理体制を構築し、機密情報を安全に取り扱うためのルールを順守することが重要です。複数人で管理する場合は、責任者を選任して判断基準を統一させましょう。また、以下のような運用ルールを周知して、現場に徹底させる必要があります。
【運用ルールの例】
・キャビネットなどの格納場所に関するルール ・施錠方法など情報漏洩防止対策のルール ・コピーした際の取り扱いに関するルール ・閲覧、アクセス権限の付与に関するルール |
ヒューマンエラーに備える
エクセルの契約書管理台帳は、情報を手入力する際の誤入力や抜け漏れが懸念されます。また、通知の機能がないため、定期的に台帳の内容を確認し、契約期間や更新時期を見直す必要があります。見落としのリスクを避けるなら、通知機能を搭載した文書管理システムの導入をご検討ください。
セキュリティ対策を行う
エクセルの契約書管理台帳は、機密情報の漏洩に備えてセキュリティ対策を講じることが重要です。例えば、ファイルにアクセス権限を設定し、利用するユーザーを制限する方法が挙げられます。一方、文書管理システムでは、ファイルごとやユーザーごとに複雑な権限設定が可能です。
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ここまで、契約書管理の効率化を目的として、エクセルで契約書管理台帳を作成する方法をご紹介しました。エクセルは低コストで導入可能でカスタマイズしやすいのが利点ですが、通知機能がないため契約の更新や期限の管理の自動化は難しいといえます。また、電子契約書・紙の契約書・関連情報の一元的な管理には対応不可能です。
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この記事を書いた人
CLOUD CABINET編集部
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